父と母、そして私

一枚の写真に人生救われることもある。
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子どもの頃からずっと、
なぜ自分がこの世界にいるのかわからなかった。

「自分は存在していていいのだろうか」
「自分はこの世界に来るべきだったのだろうか」

こんな疑問をいつも胸に抱きながら大人になった。

20歳の時、幼少で離別していた父から突然の連絡で再会。
末期ガンと告げられ、最後の一ヶ月を共に過ごした。

父がこの世を去り、父宅で一枚の写真を目にする。
父と母が微笑みあっていた。

これを見た瞬間、
「ああ、私はこの世界に来てもよかったのか」
と初めて知った。

両親の離婚は私が幼かった頃のことで、
私には家族揃って過ごした記憶が全くない。
だから、こんな当たり前なことを知らなかった、分からなかった。

父がいて、母がいて、
そして私がいる。
当然のこと。
でも、尊いこと。