脱人間は人間にしか出来ない

いつからかわからない。
「人間をやめたい」
ずっとずっと、願っていた。
肉体を持ってしまったがために苦しいことが余りにも多かったから。

人間と一緒にされたくなくて、
もう何年も必死で足掻いていた。





けどもう限界。
最終手段に出るしかないと覚悟を決めていた矢先、
まさかの現実を突きつけられた。

私が今まで" 脱人間 "のためにとっていた行動こそ
人間" しか "しないことだった。
さらには、
誰しもがすることではないので、
私は最も" 人間 "らしく、
" 人間 "に近づこうと努力していたという驚愕の事実。

本当に必死に取り組んできて、
そのために全てを捨てる決心までしていたのに…
一瞬で全てが崩れ去った。
ショックを通り越して笑ってしまった。


さて、どうしたものか…
いわゆる迷子になっている。


人間でも"人間離れ"したと例えられる人たちがいる。
今日はその一例を知った。
痺れた。


自分が人間であることを認めるしかない局面にいるようだ。
認めさえすれば、手さえ伸ばせば良いだけなのに、
それが出来ない。

でも、
少しだけなら手を伸ばせるかもしれない。
そんな気がせんでもない。


流れに抗うことは得意なのに、
身を任せることは本当に難しい。





MK